frenetic blog 2004/3

2004-03-31

英語の辞書

極東ブログは誰を読者として想定しているのかわからないことが多いが,「英語の辞書」もそんな記事だった。学習者におすすめの辞書の話かと思えばそうでもない。 子供が高校に入学して英語の辞書を買い与えたい,ついては finalvent 氏みたいにある程度の学識があって英語もできる人に相談してみたい,というふうに思う親はいそうだが,それはないものねだりだということがよくわかる記事ではある。英語の辞書は研究のスピードが速い分野で,商品にもその成果がすぐに取り入れられる。名著と呼ばれる歴史的な辞書を使っても,学習者に益はないだろう。総体としては新しいものがいい。だから電子辞書研究会に出席するような院生あたりに聞くほうがいいと思う。ウェブ上では関山先生のところが定番か。

高校生にすすめたい辞書として挙がっていた『新クラウン英和辞典』だが,まだ現役で売られ続けているとはいえ,古さは否めない。「用例をもって語らしめる」タイプの辞書ということなら,『新クラウン』ほど徹底してはいないが,読むところの多い『スーパー・アンカー英和辞典』をおすすめする。全体的なバランスでは東京書籍の『フェイバリット英和辞典』もいい。もう1ランク上のものを希望する見栄っ張りな家族には『ジーニアス』(大修館書店),『ウィズダム』(三省堂),『レクシス』(旺文社)の御三家と『新グローバル』(三省堂)がよかろうと思うが,今『ジーニアス』はほとんどの電子辞書に搭載されているので,冊子のものをわざわざ買ってやる機会というか必要はもうあまりないかもしれない。

英英辞典は,学習のための道具として活用しないのはもったいない。1995年ぐらいから学習用英英辞典の急速な盛り上がりがあったのだが,専門外の人にあまり知られてないのはやむをえないところか。とにかく,使い方の指導が必要。仮に学校の先生がそういう面で頼りにならないと思えば,磐崎弘貞『英語辞書力を鍛える』なんかを読んで使い方を研究するといい。OALD,LDOCE,CALD,Macmillan のどれを選んでもいいと思うが,高校生なら収録語数37000語の Wordpower ぐらいが必要十分だと思う。
英英辞典は,訳語が並んでいる英和辞典とは違って,定義が示してあるので語の意味の中核をつかむのに適している。ともすれば意味の離れた語まで羅列してしまうことの多いシソーラスより,英英辞典のほうがいいはず。ポイントは,英英辞典は知らない語の意味を知るために使うのではなく,知っている語を引くのに限定することである。

posted at 00:42:56    #
 
2004-03-30

気になる新刊

上はタイトルそのままだと思う。下は,Universe of English でおなじみだけど久しぶりの感がある東大駒場の教科書シリーズ。英語で文章を書くことを練習するための本。

posted at 22:54:08    #
 

やっちまった

PyDS の環境を持って歩く続 PyDS の環境を持って歩くを参考に,会社と自宅で同期させて使っているが,今日帰ってきて古い方のデータで上書きしてしまった。当然バックアップなんかとってません。
それとはあんまり関係ないけど,今日は ping 飛ばしまくってしまってご迷惑をおかけしました。

posted at 22:47:44    #
 
2004-03-28

冤罪は予防できるか

「書きたいこと」というのは裁判員制度のことだったというのを思い出した。こういう事例を止められるようになるのかどうか。職業裁判官でさえ「疑わしきは被告人の利益に」という中学生でも知っている法理を理解していないように思えるが,素人が検察側からの攻撃・誘導(もしかしたら裁判所側からのも加わるかもしれない)に耐えられるのか。

ところで,なぜ「陪審」ではなく「裁判員」なのか。
最初,言葉のイメージの問題で「陪」を避けたのかと思ったが,責任の範囲が違うらしい。情報源は裁判員制度についての意見(バーチャルネット法律娘 真紀奈17歳)とか。それにしても,なぜこういう話が急に出てきたのだろう。まあ無理に裏を考える必要もないことだが。

posted at 18:33:52    #
 

いまどき冤罪を作り出すことによる利益

東電OL殺人事件の高裁判決が「圏外からのひとこと」で取り上げられているが,なぜ今頃?という気もする。もう最高裁で無期懲役が確定しているはず…と思って見たらやっぱりそうだった(無限回廊)。「弁護側は冤罪を主張し、再審を求める方針を明らかにした」ということなので,まだ希望は残っていると言えるのだろうか。
とにかく恥ずべき判決である。
この最高裁判決を見て,藤田宙靖(ときやす)には今後×をつけなきゃいけないな,と思ったものだった。どっちみちいつも全員に×つけてるので同じなんだけど。

気になるのは,こういういい加減な判決を出すことによって誰がどういう面で利益を得ているのかということだ。「利益」というのは物理的なもののことではない。正直なところ想像を超えているけど,「警察や検察にクロとにらまれたらおしまいなんだから民草はおとなしく言うことを聞いとけ,あと毛唐は神国に来るな」という恫喝なのかしらん。

ほかに書きたいことがあったような気がするけど眠いのでもう寝る。

posted at 01:02:08    #
 
2004-03-27

電子辞書研究会

懇親会にも出席して,神保町の昼食の記筆者や Sekky さんに直にお会いできたのは貴重な体験だった。 この人には残念ながらお会いできなかった(だって顔知らないもんね)。

あと,このページ(これはマジで参考になる)の作者からいろいろ裏話もうかがうことができて楽しかった。ケンブリッジ英英和の刊行が遅れたのは元データの供給が遅れたからだそうで,日本側(小学館)でも気をもんでいたらしい。

しかしこの出張報告書を書くのは大変だなあ。

posted at 00:23:44    #
 
2004-03-26

LIBRIe レビュー

ソニーの電子書籍リーダー LIBRIe のレビューが Palm OS Love に掲載されている。ΣBook と違ってかなり期待できそうだ。テキストベースなので検索も可能だし,辞書も引ける。

しかし,Timebook Town という商売はどうにもいただけない。筑摩の松田さんが一生懸命この「インターネット上の貸本屋」のメリットをアピールしている(というか言い訳を触れ回っている)が,あえてこういう支持されにくい形をとるのは,出版社がまだ今ひとつ及び腰だからだと思う。紙の書籍が一応自立したビジネスとして成立していて,電子書籍はその余沢という位置づけをまだ壊したくないということだろうかと邪推する。

また,月々の会費を払った上に個別の購入にも金がかかり,しかも安く上げられるはずのセット販売を選ぼうにも,読みたい本だけでは上限まで届きそうもない品揃え。もちろんこれから充実させていくということなのだろうが,「電子書籍には読みたい本がない」というこれまでの定説を覆せていない。

考えてみれば LIBRIe で読める本(というかデータ)が購入できる場所を Timebook Town に限定する必要はないはずで,サードパーティーが「貸本」でないモデルを提案して先に成功させるという道もありうる。おれの老いた父母みたいに,インターネットに接続できる環境にはないが,伸縮自在で読みやすい電子書籍リーダーなら手にとってみたいと思う層はいるはずだ。

posted at 00:38:40    #
 
2004-03-25

電子辞書の進化の方向

Sekky の掲示板で,関山先生の示唆的な書き込みが。ちょっと前だったら量産型バグ氏が「そんなことするとコストが上がる。50万の電子辞書なんてあなた買いますか?」と突っ込みそうな事柄である。書き込みが活発な掲示板で,すぐ流れていってしまうので,参照用として引用しておく。

投稿者:Sekky@管理者  投稿日: 3月24日(水)10時28分13秒(の一部)
#マニアックな要望かもしれませんが,単語帳や履歴のデータは,何らかの方法で(テキストファイルでの)外部出力や,他機種への移行ができると便利かと思います。複数台を併用している人は最近増えてきていると思いますが,単語帳や履歴がばらばらになってしまいます。PDAのように,電子辞書どうしで単語帳,履歴データをシンクロナイズできれば最高ですし,技術的には別に難しくもないとは思いますが,単語帳や履歴といった付加機能にそこまでこだわるユーザは少ないのでしょうか。

ユーザーの多くは,こだわりがないというか,そういう機能が使えることに気づかないのだと思う。
辞書そのものに学習支援機能を組み込むという方向性はもっと追究されるべき分野だと思う。紙の辞書の場合でも各社いろいろ工夫を凝らしているが,電子機器に組み込む場合,冊子よりいっそうその余地が広がるというものだ。単語帳・履歴の機能に関していえば,ほかにも,自分で書き込みができたり,履歴の自動消去機能(最後に参照してから一定以上の時間がたてば消えるようにする)が備わったりするなどのアイデアもあり,そういった機能を取り込んでいけば,喧伝されている紙の辞書の利点もある程度持てるようになってくる。そうするとPDAに近くなるはずなんだけど,ユーザーにそういった自由を許すような方向に進化していってくれるだろうか。電子辞書業界の人たちは,いつまでも鳴かず飛ばずのPDAに近づくのはいやだと思っているかもしれない。

posted at 16:30:08    #
 
2004-03-24

暗闇のスキャナー

『暗闇のスキャナー』読了。実はこれが初ディック。村上春樹のことを「日本のディック」と評した文章をどこかで見かけたので興味を持ったのだが,「訳者あとがき」を読んでいきなりほかのを読む気を失う。

SFに依存するのをやめ、神学に依存するようになるまでの短い期間、ディックが自立していたわずかな期間に本書が書かれたことを、われわれは感謝しなくてはならない。

yomoyomo 氏も似たようなことを書いていた。

一言で言えば悲惨なドラッグ小説。ストーリーにもっと起伏があるかと思いつつ読み進めたが,わりと直線的に落ちていく感じ。山形氏は,「読むとあまりの悲惨さに身をつまされてドラッグ(アルコールも含めた広義のドラッグ)に走りたくなってしまうから反ドラッグ小説としては成功していない」といった趣旨のことを同あとがきで書いているが,未経験の人をドラッグから遠ざける効果はあるんじゃないだろうか。物質Dが現実のどういう種類のドラッグに似ているのかよくわからないが。読後感はジム・キャロルの『マンハッタン少年日記』にも近い。ダウナー系のを好む人たちには逆効果なんだろうね。

この本は,山形浩生氏の訳書としては珍しく,わりと批判的な意見をよく見かける。数年前のブルータスの読書特集で山本コテツだかだれかが「警官のことを『マッポ』と訳すのは勘弁してほしかった」と書いていた。「マッポ」という表記が登場するのは最初の方だけなんだが,よほど印象深かったらしい。yomoyomo 氏も「『ナオン』はいかがしたものか」と書いているが,俗語を訳すのは難しいということで。

これを読んで村上春樹とどういう共通点があるのかよくわからなかったので,別のも読んでみるつもり。タイトルのつけ方がうまいんだな。『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』(これをもじったタイトルの文章はよく見かけるけど,成功例は知らない)とか,『流れよわが涙、と警官は言った』とか。

posted at 23:21:52    #
 
2004-03-21

ID

zokkon というハンドルをいろんなところで使っているけど,かっこ悪いんだよね。かっこいい名前を考えるのは苦手。barlight も nosouth も単なるパクリだし。

これまで見かけたネーミングでかっこいい,センスいいと思ったのは,nutshell さん(in a nutshell きわめて簡単に,概要的に;手短に というイディオムで使われる語),そして PyDS 関係でお世話になっている Discreet Blog。村上春樹編・訳の『月曜日は最悪だとみんなは言うけれど』という書名がいいと褒めたこともある。でも自分ではバンド名とかも,かっこいいのは思いついたことがない。

もっとも,それはセンスの問題ではなく,英単語の知識の絶対量が不足しているのだと思う。

posted at 01:00:00    #
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