映画化された『ハイ・フィデリティ』(今はDVDも出ている),原作とは設定を変えてアメリカを舞台にしていたようだが,さすがに主人公の性格までは変えてないだろう。
見たかったけど結局見ていない。
原作は,訳が新潮文庫から出ている。
「うーん,その気持ちわかる,わかるけど何もそこまで書かなくても…」というところがありすぎて,読み進めるのがつらくなる瞬間も多かった。
速攻でブックオフ行きにした。
30過ぎても一人でしこしこ自作のテープを作るようなやつはやっぱり,社会生活を送るに際しての欠陥がどこかにあるに違いない,と自分に重ねあわせて読んでしまったわけだ。
といっても,今はオーディオ装置としてはボーズの WaveRadio/CD しか動いてないので,テープなんか作ってないのだが。
一番最近作ったテープは,自分たちの結婚披露パーティーのBGM。
今手許にないのでうろ覚えで書くが,その時に入れた曲はこんな感じ。
ただし,順番は最初の曲を除いてめちゃくちゃだし,曲の異同も多少あるかもしれない。
- Big Bad Bill Is Sweet William Now / Ry Cooder (JAZZ)
- Redemption Song / Courtney Pine featuring Mica Paris
- The Way You Look Tonight / Fred Wesley Quartet
- Someday My Prince will Come / Miles Davis (同名アルバム)
- Jennette / Flaco Jimenez (Flaco's Amigos)
- I Bless the Day / Mica Paris
- For Your Babies / Simply Red (Stars)
- Loving You Is Sweeter Than Ever / Marvin Gaye (In the Groove)
- Our Love Is Here to Stay / Blossom Dearie(Once upon a Summertime)
自分としてはまあまあだったと思うし,自作テープ作りの幸福な打ち止めという感じで,将来息子にも自慢できる…かどうかは微妙なところだな。
かつて女性にあまり縁のなかったころ,勝手に自分の思いだけをふくらませた結果相手に通じなかったときに,その記念として「失恋テープ」を作ることがよくあった。
曲調と歌詞,曲のつながりを考えて,テープのA面B面でそれぞれ完結するように作るのはそれはそれで楽しかった。
今思えばそうやって自己完結すること自体が問題なんだけどね。
そういう時によく使ったのがブライアン・フェリー。
彼も,歌詞を真に受ければ,結婚前は失恋しっぱなしだったらしいから,アルバムはトーチソング(失恋の歌)の宝庫なのだ。
とくにソロで初めて出したアルバム "These Foolish Things" は,材料がそろっていた。
中でも好きだったのが,2曲目の River of Salt (これは誰の曲なのか知らないが,『塩の川』とは頬を流れる涙のことだ,すげーセンス。ほめてるんだけど),スモーキー・ロビンソンの Tracks of My Tears ,最後の These Foolish Things といった名曲たち。
These Foolish Things はスタン・ゲッツなどもとりあげているジャズファンにはおなじみの歌で,近年ではジェーン・バーキンが故ダーク・ボガードと共演した『ダディ・ノスタルジー』で,主題歌として歌ったのが名演だと思う。
(サントラのライナーノーツで,岩浪洋三さんが「歌のうまいジェーン・バーキン」と2回ぐらい書いている。
彼女の歌唱力を知る者には驚きだけど,かなりいい雰囲気を出していて,そうやって筆を滑らせてしまうのも無理はないんだ,これが。)
ブライアン・フェリーのバージョンは,むしろ怪演に近い。
リズムがレゲエなのだ。
1973年という早い時期(たぶんクラプトンやポール・サイモンと同じくらい)にレゲエを取り上げてるのは注目に値すると思うが,この歌でそれをやってしまうというのは,ポップ音楽進化の袋小路というか,有袋類を見る思いである。
という愛着のある盤だが,CDにかびが生えたのか,かからなくなってしまった。
また買わなきゃ。
ほかには,相手の女の子の名前がルミだったときに,日本人の名前を冠した曲はめったにないから,代用としてトム・ウェイツの Ruby's Arms (Heartattack And Vine)を使ったことがあり,それを友人にしゃべったらけっこう大笑いされ,いやー喜んでいただけてよかったよかった,というほのぼのした話も時にはある。
思い出したらまた書こう。
(2002/03/31 追記)
今回アマゾンへのリンクを張るにあたって検索すると,上に挙げた楽曲のうち入手困難っぽいものも多いけど,ビッグネームはさすがにリストに残っている。
フラコ・ヒメネスのCDがわりとたくさんあるのは驚きだったし,マーヴィン・ゲイなんか,自分が持ってるのは I Heard It through the Grapevine というタイトルだったのに,よく見たら全然違っていてびっくり。
惜しいのはミーシャ・パリス(1998年の作品発表後のインタビュー)。
ちょっとハスキーでセンスも抜群だったけど,イギリスでもアメリカでもそこそこのセールスしかあげてこなかったようなので,ほとんど廃盤。
レコード会社を替わったりしたので,ぼくが12インチやシングルCDを集めていた1992,3年ごろのなど,アマゾンUKでも見つからない。
結婚式で使った I Bless the Day は,アルバム Whisper a Prayer 収録版と違うレイ・ヘイデンによるリミックスで本当に最高だったのだが,レイ・ヘイデン自身もここしばらくリリースがない。