2003-11-21

音がいい 

表のメディア(新聞・雑誌)に出てきた音楽評論の中で,「音がいい」という表現を使ったのを初めて見たのは高橋健太郎によるマシュー・スイート "Girl Friend" 評だったと思う。発表直後のレビューではなく,ディスクガイドだった。

一般人が音楽の話をするときに,音がいいかどうかはわりとよく話題になると思うんだけど,表のメディアでそのことがあまり議論されないのは,単なる印象批評と紙一重だという書き手あるいは編集サイドの判断があるせいかもしれない。だとしたら,別の言葉を作り出さなければならないわけだが,やっぱ「音がいい」としか言いようがないんだよな。

RCサクセションの『カバーズ』に幻滅して以来,清志郎に対する興味はあまりなかったんだけど,ここまで「音がいい」と絶賛されると聴きたくなってくる。


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Read and Translate 

研究社の近刊案内を見たときから気になっていたが,はてなダイアリーの Everyday Is a Winding Road の記述に後押しされて上岡伸雄『現代英米小説で英語を学ぼう』が読みたくなった。著者はドン・デリーロの紹介や『シッピング・ニュース』などで自身も翻訳者として知られる明治大学教授。実は同郷なのだ(たぶん)。

この本は大学での授業の経験を生かしたものだろう。自分の訳書は紹介してないのかな。上記の日記に

純文学が好きな受験生なんかはこの本で英語の勉強をするのも良いんじゃないかと思う。

と書かれていたけれど,激しく同意。誤訳を反面教師にするような本より,すぐれた本からのほうが学ぶところが多いはず。おれ自身も,受験生時代に「進研ゼミ」の教材(というより付録の情報誌みたいなの)に載っていたコラムで,フィッツジェラルドの原文と村上春樹の訳文を対比させて「ちょっと説明的な訳だけどなかなかいい」という趣旨の記述があって,その訳文にはひどく感心したという経験がある。「氷の宮殿」という作品。コラムの筆者がだれだったか,ほかの月にどんなことが書いてあったかは全然覚えていないが,そのことだけは妙に鮮明に記憶に残っている。

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2003-11-20

マリフアナの効果 

マリファナの活性成分を合成して脳損傷の進行を阻止という記事が HotWired に出ている。マリフアナという単語に反応してしまうが,残念ながらこの記事の焦点はそこにはない。外傷性脳損傷への対処方法に新しい可能性が出てきたことを伝える記事であって,あまり過剰な期待はしないほうがいい。

同記事には,低体温療法についても少し触れてある。柳田邦男氏が一時期,この治療法の可能性を大きく宣伝していたが,必ずしもうまくいく場合だけではないようだ。

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2003-11-19

フランスとパンク 

仲俣暁生さんの記事にはいつも考えさせられるが,1979年から1996年を見てふと思いついたことがある。
パンクと左翼運動のつながりというのが日本にいて英米しか見ていないとよくわからないんじゃないんだろうか。まあ,パンクは英米のものではあるが。

その記事を読んだときに頭に浮かんだのはフランスの自由ラジオ。それまで海賊ラジオとして公海上に停泊した船から電波を発信していたりしたのが,ミッテランが大統領に当選したあとで現実を追認する形で合法化され,たくさん小さなラジオ局ができたのだ。それが81年ぐらいの話。当時中学生だったが,共同通信社が出していた FM fan という雑誌でそういう記事を読んで胸を躍らせたものだった。

粉川哲夫「イタリアの熱い日女-街路と個室を結ぶメディアヘ」を読むと,イタリアの事情がわかる。
余談だが,日女って日本女子大のことではなくて,スキャンしたときに「日々」をこのように読み取ってしまったんだろうな。

自由ラジオと並ぶパンク的な運動でオランダやイギリスで盛んだったのがスクウォッティング(住居不法占拠)。これは宝島がA5判だった頃に紹介されていた。人が住んでいないビルに勝手に住みつくという運動だ。しかもそれは正当な権利だと主張して。そんなことができるんだとやはり目からウロコが落ちたような気になったものだ。これに関しては木村重雄によるジェフ・ヌーン『花粉戦争』解説が少し参考になる。

フランスというのは独特な文化を持つ国で,ワールドミュージックが世界的なブームになる以前から各地の移民が作る音楽がそれなりの人気を得ていた。日本ではパンク~ニューウェーブのムーブメントからワンクッションおいた時期に起こったワールドミュージックブームも,フランスではパンク後あまり間をおかないである程度の形になっていたように記憶している。

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2003-11-12

左翼 

祖父2人は特高だったり勤評闘争でひどいめにあったりしているので左翼からは距離をおいていたと思うのだが,父母はれっきとした組合員だったし選挙では社会党に投票していた。おれ自身は別に左翼に対する思い入れはそんなに強くないけれども,山本夜羽音の日誌11月10日の項にはぐっとくるものがあった。
『ハイ・フィデリティ』に対する感想も共感できるものがあるし,80年代欧州でのスクウォッティング運動に対する憧れもよくわかるのだ。吐き気がするほどロマンチックだぜ。

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2003-11-04

The Mad Broom of Life 

高橋恭司の写真集。クローバー・ブックスのページで存在を知って,同ショップで注文してみた。ちょっとやりとりが面倒だけど。

このタイトルはチャールズ・ブコウスキーが命名したもので,写真集の中にもブクのポートレートが収録されているという。一時期リトル・モア関係なんかで高橋恭司はチェックしていたのを思い出した。

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